コピーの不思議Q&A|Ricoh Japan


コピーの不思議Q&A


「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。


コピー機の部品に関する質問コピー機の部品に関する質問

杉本航太くんからの質問:

「『DC24V 1.47N・m 2.1rpm±0.4rpm』と書かれたモーターの仕組みを教えてください」

このモーターは、24ボルトのDC(直流)で動きます(たとえば、1.5ボルトの乾電池で動かす場合は、16個の乾電池が必要になります)。

1.47N(ニュートン)・m(メートル)とは、モーターの力(パワー)を表しています。

そして、2.1rpm±0.4rpmとは、1分間に回転する回転数の範囲を表わしています。 具体的には、1分間に1.7〜2.5回転するモーター、ということになります。 ですから、『力は強いけれど、ゆっくりと回転するモーター』だということがわかります。

実際に動かしてみると、非常にゆっくりとした回転を始めますが、回転する力が強いモーターです。 どんな役割を持っているかを説明します。

下の絵はテキスト(青本)の19ページに描いてある、コピー機内部の様子を示した図です。 この図の中で、下の方に紙を蓄えておく給紙部というところがありますが、この部分に杉本さんが質問されたモーターが使われています(図の中では3種類の紙が蓄えられています)。

コピー機断面図

下の2枚目の絵は、この給紙部の拡大図ですが、中に赤く示したところがありますね。 これは紙全体を持ち上げるレバーです。 そして「紙送りコロ」と書かれた部品がありますが、このコロが回転して、紙を一枚一枚送り出します。

紙をスムーズに送り出すためには、紙がコロに押し付けられていなければなりませんが、紙は使うたびに減ってきますので、徐々に給紙コロとレバーのあいだが離れ、紙が送れなくなってしまいます。 このような事態を避けるために、赤いレバーで紙全体を少しづつ持ち上げて、いつでも紙が給紙コロに押し付けられるようにしています。

このレバーを少しづつ回転させて、紙を上のほうに持ち上げるのに、質問のモーターが使われています。

このような用途のため、早く回転する必要はありませんが、重い紙全体を持ち上げていなければなりませんので、力の強いモーターが必要になるのです(ちなみに、紙がなくなってしまったら、新しい紙を補充するためにモーターを逆に回転させて、レバーを下に下げた状態にし、紙を補充しやすくしています)。

ご質問のモーターには、このような役割があったのですね。

コピー機下部の給紙部では、紙送りコロという回転する部品を使って紙を送り出しています

モーターを分解すると中に沢山の歯車が入っていて、この歯車の組み合わせで、ゆっくりとした回転数を作り出していることがわかります。

とはいえ、分解は大人の人に手伝ってもらわないとチョット難しいですね。 また、中には油(グリース)が入っていますので、衣服を汚さないように注意して分解してください。