コピーの不思議Q&A|Ricoh Japan


コピーの不思議Q&A


「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。


コピーとコピー機の歴史に関する質問 コピーとコピー機の歴史に関する質問

蔦井桃子さんからの質問:

「カラーコピー機の歴史が知りたいです!」

コピーの基本的な技術が誰によっていつ発明され、いつ頃どんなコピー機が作られてきたかを、年代順に示します。

● 1930年代

コピー機の原理は1938年に、アメリカのチェスター・F・カールソンという人により発明されました。カールソンが行った実験では、

  1. 初めてのコピー原稿 硫黄を溶かして金属の板に塗り、
  2. それを木綿のハンカチでこすって硫黄に静電気を発生させました。
  3. その上に透明なガラス板を重ね、黒インクで『10-22-38 ASTORIA』と書き、
  4. 上からランプで光を当ててからガラス板を取り除き、
  5. 硫黄の表面に粉末をふりかけました。こうして、右の図のような粉末像を得ることができました。
  6. それを粘着性のあるものを塗った紙に押し付けて粉末像を紙に移す

という方法で、紙に粉末の像を転写したのでした。

これが、今日のコピー機の基本的な技術のもとになっています(これは白黒の実験でしたが、カールソンはのちにカラー化の提案もしています)。

● 1940年代

1944年から、コピー機の開発に向けた研究開発が始まりました。 基本的な原理はカールソンにより発明されましたが、1944年以降、この原理を使った機械(=コピー機)を作ることの研究開発がアメリカでスタートしました。

● 1950年代

1950年に最初の白黒コピー機が商品として発表されました。これは手で動かすコピー機で、1枚のコピーを作り出すまでに2〜3分もかかりました(アナログ方式のコピー機)。
その後、1959年に世界初の普通紙対応の全自動・白黒コピー機が商品として発売されました。 これは1分間に6枚のコピーをとることができました(アナログ方式のコピー機)。

● 1970年代

1972年、普通紙にカラーでコピーがとれるカラーコピー機が商品化されました(アナログ方式のコピー機)。 1972年以前にもカラーコピー機はありましたが、普通紙にカラーコピーが取れるものは、1972年になってからでした。

● 1980年代

チェスター・F・カールソン1987年、デジタルカラーコピー機が商品化されました。
現在、カールソンがコピーの基本原理を発明してから70年近く経ちました。 この間に多くの技術者たちが研究開発を重ねて技術を改良し、今日のようなカラーコピー機に至っているのですね。 技術の改良はこれからも続けられるでしょうね。